roomマイコーチの部屋【管理栄養士からのアドバイス】
糖尿病におススメする「緑茶」の話
飲めば糖尿病が治る!そんな魔法の飲み物はないかなぁ? さすがにそんな魔法の飲み物はないですが、おススメの飲み物があります。ここでは、糖尿病と「緑茶」についてお伝えします。
糖尿病と緑茶の関係
緑茶の効果
緑茶に含まれるカテキンは、渋み成分となるポリフェノールです。「抗酸化作用がある」「コレステロールを低下させる」「抗菌作用がある」といわれ、古くから日本人に親しまれている飲み物です。
グルタミン酸、テアニン、アルギニンなどの旨味成分となるアミノ酸も含まれています。
緑茶の新しい効能
主に肝臓で合成される「セレノプロテインP」。各臓器にセレンを運ぶ働きをしており、体にとって必要なタンパク質ですが、増えすぎると血糖値を下げるインスリンの分泌を抑制し、インスリンの効果を弱めるといわれています。 糖尿病患者ではこの"悪玉"のタンパク質が増加し、糖尿病の病態を悪化させます。緑茶成分にこの「セレノプロテインP」を下げる作用があることが明らかになっています。緑茶を1日6杯以上飲む人では、ほとんど飲まない人(週1杯以下)と比べ、糖尿病の発症率が33%も少なかったと報告されています。
また、緑茶を飲んでいる糖尿病の人は死亡リスクが低い傾向があることも言われています。 緑茶を毎日1杯までを飲んでいると、死亡リスクが15%低く、1日4杯以上飲んでいると、死亡リスクは40%低いという追跡調査の報告もあります。
カリウム量にご注意!
慢性腎臓病など主治医から「カリウムを控えるように」と言われている方はご注意を!お茶のカリウムについては、浸出法(茶葉の量や時間)等によって大きくばらつきがありますが、一般的な玉露1杯(200cc)で680mg、煎茶1杯で41mgとカリウムを多く含みます。 茶葉の量や浸出時間を少なくするとカリウムの流出が少なくはなりますが、カリウム制限が必要な方はお控えください。
ペットボトルの緑茶よりも急須で淹れた緑茶の方が、成分の抽出量が多いと言われています。
- テアニン(脳神経の働きを活発化)で4.1倍
- タンニン(ガンや生活習慣病を予防)で5.5倍
- カフェイン(リフレッシュ効果、利尿作用)で2.5倍
緑茶の美味しい煎れ方
温度と時間がポイント
抗酸化作用や血中コレステロールの低下などが期待できるカテキンを積極的に摂取したいなら、お湯の温度は高温でさっと。リラックスや睡眠の質向上に役立つテアニンをたっぷり摂取したい場合には、ぬるめのお湯で蒸らし時間は少し長めにして、 じっくりと。
日本人に古くから親しまれている緑茶。たくさんの飲料がありますが、食事のお供にはもちろん、午後のホッと一息にも飲んでみてはいかがでしょう。
生活習慣病を改善したい方、気になっている方
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管理栄養士 腎臓病療養指導士
大都 宏子(だいと ひろこ)
私はここに来るまでの20年。多くの在宅で生活習慣病の療養をされている方に出会ってきました。病院とは異なり、自宅で食事療法に取り組まれる方の悩みや不安は千差万別。自分なりに取り組むもなかなか改善できない。何からすれば良いのかわからない、気づけば重症化していた・・・悩みは出会った人の数だけあったように思います。 ここでは、少しでもみなさんの不安や悩み解決の糸口になるような情報を発信していきたいと思います。